英EU離脱が「神風」になった自民党

赤坂太郎

ニュース 政治

月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。キーワードは「経済の安定」。舛添問題もアベノミクス失政も吹き飛んだ

「きのう、イギリスが欧州連合(EU)からの離脱を決断した。やはり消費増税先送りの判断は正しかったのではないでしょうか」

 参院選が公示された初の週末、英国の国民投票でEU離脱が決定して金融市場が大荒れした翌日の6月25日土曜日。官房長官・菅義偉は山形県米沢市での遊説で熱弁をふるった。

 首相・安倍晋三も宮城県で「英国のEU離脱で経済にリスクを与えないか懸念している。日本はG7(主要7カ国)の議長国として国際協調して万全を期す」と訴えた。

 消費税率10%への引き上げを2年半先送りし、衆参同日選挙を見送ってまで臨んだ参院選。6月23日夜に明らかになったマスコミ各社の序盤情勢では「改憲勢力3分の2をうかがう勢い」と与党に有利な結果が出た。

 それでも野党4党が統一候補を擁立した32の一人区では弱さも感じられ、なにより「リーマン・ショック級の危機」を未然に防ぐために増税を延期した、との首相官邸の理屈に批判と疑問が高まり、安倍の演説もどこか言い訳めいた色彩もあった。

 そこに飛び込んできた英国のEU離脱の一報。6月24日、一報を聞いて「えっ!」と驚きながらも、安倍は急きょ、首相官邸で関係閣僚会議を主催して「世界経済の成長、金融市場の安定に万全を期していく」と指示を出した。選挙演説も「今、日本に求められているのは政治の安定だ。それは世界から求められている」と力強いトーンにかわった。

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source : 文藝春秋 2016年8月号

genre : ニュース 政治