総裁職は「火中の地雷」? 金融のプロ2人が一刀両断!
藤巻 この4月、10年ぶりに日本銀行の総裁が交代し、経済学者の植田和男氏が就任。異次元緩和の副作用が目立つ状況を植田新総裁はどう立て直すのか。日銀出身の山本謙三さんと論じていきます。山本さんとは長いお付き合いになりましたね。
山本 初めてお会いしたのは1987年ですよ。私は30代前半で、ニューヨーク勤務から東京へ戻り、外国銀行の担当になったとき、アメリカのモルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)にいらした藤巻さんとお会いした。藤巻さんは30代の後半で、すでに「伝説のディーラー」と呼ばれていました。
藤巻 山本さんの見識、知識は私が知る中でも抜きんでていました。日銀の理事、一般企業でいえば役員を務められましたが、私は将来の日銀総裁だと思っていましたよ。私はあまり他人を褒めないのですが。
山本 面はゆいですね(笑)。2012年に日銀の理事を退任しまして、現在は金融政策などについて情報発信をしています。
藤巻 その日銀総裁に植田和男氏が就任したのはどう見ていますか。
山本 私は植田先生を直接、存じ上げているので納得できます。98年4月に金融政策決定会合が創設されましたが、植田先生は審議委員、第一期生。私は運営に携わっていたので、多くの接点がありました。植田先生は理論と現実の一方に偏ることなく、丁寧に両方を検証しながら議論を進めておられたので、日銀内部の信頼も厚かった。
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source : 文藝春秋 2023年7月号