五月八日の産経新聞で、興味深い読者投稿を読んだ(『朝晴れエッセー』)。
大阪に住む夫婦と十一歳になる娘が、東京に旅行した。三人で有栖川宮記念公園を散歩し、夫は十五年前にここでプロポーズしたことを思った。サプライズで指輪を渡した時の、彼女の驚きと喜びの顔も甦る。そして、十一歳になった娘にベンチを指さし、言った。
「パパはこのベンチでママに指輪を渡してん」
娘の答が実にいい。パパにはまったく思いつかない答だった。
「そんな話、聞きたくない。何でか分かる? 自分の立場に置き換えたら嫌やろ。もし、おじいちゃんがそんな話したら、パパも嫌やろ」
パパは動転したのではないか。
「嫌やないけど」
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source : 文藝春秋 2023年8月号