谷村新司、加藤秀俊、遠山一、岩國哲人、財津一郎

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偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム

★谷村新司

谷村新司 ©時事通信社

 シンガー・ソングライターの谷村新司(たにむらしんじ)はアリスを率いて活躍し、ソロでは『昴』が国際的な大ヒットとなった。

 1980(昭和55)年に発表した『昴』は、たちまちヒットチャート1位にランクされ、カラオケでも上位を続けて長年にわたり愛唱される。中国をはじめとするアジアでも谷村ファンが育った。

 48年、大阪府の河内長野市に生まれる。実業家の父は祇園の常連で芸事好き、母も三味線がうまく、姉は地唄舞で高校生のときから弟子をもっていた。小学1年のとき学校で「好きな歌をうたいなさい」といわれ、谷村は父に付いていって祇園で聞いた艶っぽい都々逸を唸ったので、父が学校に呼ばれたという。

 高校1年の時に「女の子にもてたくて」ギターを始めたところめきめき上達し、翌年に「ロック・キャンディーズ」を結成する。目をつけたプロモーターがいて、アメリカやメキシコを演奏旅行しレコードも作ったが、まだプロの意識はなかった。

 71年に堀内孝雄とアリスを結成して翌年レコードデビュー。同年に矢沢透が加わり、以降『今はもうだれも』『冬の稲妻』『チャンピオン』などヒットを連発した。ラジオのパーソナリティとしても人気があり、『セイ!ヤング』では72年から5年半のあいだ火曜日を担当した。78年には山口百恵の『いい日旅立ち』を作詞作曲する。「この歌は自然に書き上げることができました」。

 ラブソングを多く歌ったので「体制派」と批判されたこともあるが、「自分自身に正直になることのほうが大切」と動じなかった。しかし、80年の『昴』のヒットは、谷村に新しい展開をもたらす。まず、メンバーのソロ活動を拡大するため、81年にアリスの活動を休止した。もうひとつが、中国で「日本はアジアに背を向けている」と言われ、自分なりの応答をしたいと思ったことだった。

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source : 文藝春秋 2023年12月号

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