偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム
★池田大作
創価学会名誉会長の池田大作(いけだだいさく)は、戦後の経済成長のなかで、創価学会を日本最大規模の宗教団体に育てた。
創価学会会長に就任して間もない頃、学会の催し物に出席するため全国を駆け回った。地方都市でのスポーツ祭典では、白いトレパン姿で聖火を掲げて走りながら登場して、観客席を埋めた学会員に手を振ると、大歓声があがり人文字が大きく揺れた。
1928(昭和3)年、東京の大森で生まれる。父は海苔製造業者で池田は五男。後に冬の早朝に海苔製造を手伝う辛さを語っている。戦時中、少年航空兵に志願しようとしたが、上から3人の兄が兵隊に行き四男も徴兵間近で、父は頑として許さなかった。
しかたなく、国民学校高等科を卒業後は鉄工所に就職するが、東京大空襲で膨大な数の人びとが犠牲となるのを目撃した。長兄の戦死の報が届いたときには両親の嘆きは大きく「母はめっきりと年老いた」。このころから戦争を憎む気持ちが強くなったという。
戦後は「無性に勉強がしたい」という思いに駆られ結核との闘病のなかで商業学校の夜間部に通った。小さな印刷工場に勤めるが、病状が悪化し血痰は止まらなかった。そんなとき知人に紹介されたのが後の創価学会二代目会長・戸田城聖の会だった。
当時、戸田は「折伏」といわれる学会拡大路線を推進していて、池田は戸田が経営していた出版社・日本正学館の職員となる。出版事業が失敗した後も、戸田が経営していた信用組合を手伝いながら、学会の活動に邁進した。
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source : 文藝春秋 2024年1月号