習近平のブレーンが具体的シナリオを明かした
台湾に関する我々の願いは、「平和的統一」ですが、「統一」は「平和」よりも尊いものです。平和的手段によって統一が実現できないとき、平和のために統一を犠牲にして放棄してはいけません。平和のために統一を無期限に延期することはあってはならないのです。
「南北戦争という統一戦争によって分裂勢力を断固として粉砕し、国家統一を守った」という意味で、米国こそ我々中国の“お手本”です。
こう語るのは、中国国防大学教授(上級大佐)の劉明福氏だ。
2010年、中国が世界一の国家になるための構想を綴った著書『中国の夢』が国内でベストセラーとなり、そのタイトルは2012年に発足した習近平政権の政治スローガンに採用された。
劉氏は習政権の政策決定に大きな影響を与えるブレーンの一人だ。『中国の夢』の続編と言える『中国「軍事強国」への夢』(峯村健司監訳・加藤嘉一訳)は、中国語版で削除された台湾問題に関する章も含めて、昨年、文春新書から刊行されている。
氏の主張でとくに注目すべきなのは、陸軍出身にもかかわらず、「海を制する者が世界を制する」として、人民解放軍を「陸軍中心」から「海軍中心」へと転換すべきだ、と訴えている点である。
米国は台頭する過程において、南北戦争(1861年から1865年にかけて北部のアメリカ合衆国と合衆国から分離した南部のアメリカ連合国の間で行われた内戦)を戦いました。
「統一」を死守した南北戦争
南北戦争の目的は、国家統一を守り、分裂に反対して封じこめることにあった。南北戦争は、性質上「米国統一戦争」と称すべきものです。
米国は、分裂勢力に反対するという点において、態度は明確で行動は迅速でした。4年という時間を費やし、高い代償を覚悟の上で戦争によって国家の統一を守ったのです。
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