人間は「どうしようもない」
入門書というのは普通その道の専門家が初学者向けにわかりやすく説明した本のことなので、そのつもりで読みはじめたら、種田山頭火のことを真剣に考えるようになってからまだ2週間しか経っていないとあったのでびっくりした。入門書ではなく作家町田康が山頭火に入門した本のようだ。訝しみつつ読み進めると、わからないわからないと言いながらもひたすら綴られる、作家による山頭火の行動や言葉への解釈がおそろしく核心を突いていることに驚愕した。
でも、もしかしたらそれは、山頭火のことをよく知らないまま書かれたからではないかとも思う。
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source : 文藝春秋 2024年4月号