サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。
今回の数字:ハキリアリの姉妹の数=2億匹
人類と他の動物を分ける決定的な特徴は何か――この答えは、簡単なようでいて案外難しい。オマキザルは木の実を割るのに石器を用いるし、貨幣の使用を教えると盗みやギャンブル、売春までも始めるという。イルカは群れの中で会話をしており、互いに名前で呼び合っていることが判明した。火を使うのは人間だけと思われてきたが、草原に放火して狩りを行なう鳥の存在が最近確認されている。
農業を営む生物も知られている。その賢い生き物は、なんとアリの1種だ。南北アメリカ大陸に棲むハキリアリは、その強靱な顎で木の葉を噛み切り、巣に持ち帰る。彼らはその葉を細かく噛み砕き、菌を植え付けてゆく。丁寧に温度や湿度がコントロールされた「畑」には、やがてキノコが生えてくるので、これを食料とするのだ。ちなみに食べてみた研究者によると、このキノコは人間にとってはあまり美味くないらしい。
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source : 文藝春秋 2019年9月号