いまだ知られざる日本美術のワンダーランドへ
「この葡萄、いいね」
「若冲の実家は青物問屋だったんですよね」
「目の前のものを描くというより、頭の中にあるイメージを自由に描いているな」
美術史家・辻惟雄(91)の前に広がるのは、伊藤若冲によって江戸時代に描かれた《果蔬図巻(かそずかん)》の高画質プリント。福田美術館が昨年ヨーロッパで発見されたものを入手した“新作”を前に、同美術館学芸課長であり、自称“弟子”の岡田秀之氏との会話が弾む。
御歳、91。雑誌「美術手帖」の連載から生まれた『奇想の系譜』では伊藤若冲、曾我蕭白など、それまで「異端」とされていた画家たちに光をあて、日本美術界の景色を一変させた。海外のコレクターの手に渡った日本美術の展覧会を催すなど、辻のキャリアは知られざる非凡な画家たちの存在を世に知らしめることとともにあった。年を重ねた今も、その日本美術への情熱はいまだ衰えない。
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source : 文藝春秋 2024年6月号