目を保護する実用品であり、昨今の酷暑には欠かせないサングラス。記憶のなかのサングラスは陽光がよく似合い、快活な自分の姿を思い起こさせる。パートナーとともに着用すれば、夏のワンシーンをいっそう鮮やかに刻めるだろう。
いつの時代も憧憬の景色のなかに
Jacques Marie Mage（ジャック・マリー・マージュ）
フランス出身のデザイナーが2015年にロサンゼルスで創業。ハンドメイドによる限定生産で、一本ずつにシリアルナンバーが刻印される。矢をモチーフとしたリベット飾りや芯金が透けるテンプルなど細部までアイコニック。1980年代のモデルからインスパイアされたビッグフレームを楽しみたい。左：映画『レーサー』の主演俳優ポール・レナード・ニューマンをイメージしたツーブリッジ。「レナード」¥132,000、右：ヴィンテージ感が洒脱なバタフライシェイプ。「キャンディ」¥132,000／ともにジャック・マリー・マージュ（ジャック・マリー・マージュ カスタマーサービス☎0778-42-5750）
眩しさを軽減するのはもちろん、負担の少ない掛け心地など最近は多くの機能性を持ち合わせるサングラス。主に屋外で使用することから、アクティブに活動する姿が想起され、豊かなライフスタイルの象徴ともいえるアイテムだ。最初の流行は、第一次世界大戦後、上流階級の間でブームとなったクルージング旅行のスタイルが契機とされる。ポルトフィーノ、モンテカルロ、ビアリッツ……。美しいリゾート地を背景にサングラスを着用した姿は、憧れの対象となった。また同じころ、銀幕のスターたちがスクリーン内外で愛用。ミステリアスでワイルド、時にはエレガントな雰囲気を自在に演出し、ファッションアクセサリーとしての地位も確立した。旅先でも日常でも“外へ出る”ことを誘うサングラス。ハレのアイテムを大切な人と存分に楽しみたい。
1972年、札幌で冬季五輪を観戦される皇太子ご夫妻（当時）。大きなサングラスが印象的 ⒸJiji photo
非日常へと誘う洗練の小道具
Brunello Cucinelli（ブルネロ クチネリ）
上質なカシミアニットでお馴染みのファッションブランド、ブルネロ クチネリ。最先端のテクノロジーと卓越した職人技を誇るイタリアのアイウェアメーカー、エシロールルックスオティカ社とのコラボにより初のアイウェアをローンチした。なかでも注目は、サンセットの時間帯がとても似合う“アペリティフレンズ”。品のいい淡色のレンズは、そばにいる人とアイコンタクトを取りやすくするために誕生した。ぜひ2人で着用して豊かな時間を過ごしたい。右ページの上：大振りの幾何学フォルムのフレームは、繊細なチタン製。「インターシャ レイズ」¥97,240、下：チタン製フレームにより、重厚感のあるブリッジのデザインでありながら驚くほど軽い。「サルトリアル サンセット」¥115,940、左ページ：赤い眼鏡ケース（参考商品）、フレグランス（100ml）¥31,900、フリンジセーター¥1,194,600／すべてブルネロ クチネリ（ブルネロ クチネリ ジャパン☎03-5276-8300）
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source : 文藝春秋 2024年8月号
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