どんな猛暑に見舞われようとも、夏を楽しむ気持ちは忘れたくない。ならば手に入れるべきは、いつもの装いを洒脱かつ涼やかに仕上げてくれる帽子である。ここではハットスタイルの達人たちとともに、選りすぐりの逸品を紹介しよう。
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Borsalino(ボルサリーノ)
往年の名作映画とともに語り継がれる、伝説の名品。エクアドルにある産地モンテクリスティの職人が、天然のトキヤ草を数ヶ月かけて編んだパナマハットは、驚くほどに繊細で軽く、優雅な表情を描き出す。¥242,000/ボルサリーノ(中央帽子☎03-5839-2098) ⒸAflo/REX
小津スタイルから学ぶ、夏の装いの矜持
リネンスーツにパナマハットやカンカン帽を合わせた紳士たちが、真夏の街を闊歩する……。そんな粋な光景はとうに消えてしまったが、すっかり猛暑日が日常になり、カジュアルな装いが主流になった今だからこそ、再び帽子のお洒落と機能を見直すべきではないだろうか。
かといって、帽子に合わせて無理にドレスアップする必要などない。例えば上質なパナマハットなら、ラフなTシャツに合わせるだけで、着こなしの格は数ランクもアップするし、より快適に過ごすこともできる。グレーのパンツに白シャツといういたって当たり前のワードローブに、真っ白なピケ帽を合わせるだけで、涼やかで品格漂うスタイルに昇華させた、小津安二郎の姿こそはその最適解。流行にとらわれず、こだわりを持って選んで頂きたい。
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生粋の洒落者でありモダニストとしても知られる映画監督、小津安二郎。彼が夏の撮影現場で愛用したコットンピケ素材の帽子は、当時は登山などで使われていたカジュアルなデザイン。その粋で涼やかなスタイルは、近年では若者たちからも注目を集めている ⒸMary Evans Picture Library/Aflo
夏の装いは帽子で変わる
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Ginza Toraya(銀座トラヤ帽子店)
小津安二郎の愛用品を彷彿させる、軽快なコットン製の帽子「メトロハット」。水洗いできる気軽さが魅力だが、意外とシックなジャケットスタイルにもよく似合う。帽子¥8,360/銀座トラヤ帽子店(銀座トラヤ帽子店☎03-3535-5201)、ジャケット¥132,000/ソウ ラボラトリー(和光☎03-3562-2111)、ヴィンテージの時計¥968,000(江口時計店☎03-5422-3070)
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source : 文藝春秋 2024年9月号