自然からの無垢なる贈り物である、パール。冠婚葬祭にふさわしい気品と柔和な雰囲気を湛えながらも最近は、革新的なデザインを受容する包容力も誇る。パールジュエリーのエナジーを、新しい季節のお供に。
自然界で育まれた神秘的なジュエリー
Cartier（カルティエ）
南の海で育まれた大粒のタヒチ産パールが連なるリング。グレー、グリーン、ブルー……光のニュアンスでさまざまな色彩を見せるパールが魅惑の表情を描き出す。“ピコ”と呼ばれるオニキスの漆黒のアクセントがカルティエらしさ溢れるモダンなクリエイションへと導く。リング「クラッシュ ドゥ カルティエ」タヒチパール×オニキス×ダイヤモンド×ホワイトゴールド ￥3,841,200（参考価格）（カルティエ カスタマー サービスセンター☎0120-1847-00）
Mikimoto（ミキモト）
創業者の御木本幸吉が1893年に真珠の養殖に世界で初めて成功して以来、長年パールの魅力を発信し続けるミキモト。最新作ではラッキーモチーフとされる馬蹄からインスピレーションを受け、胸元に守護の輝きを生み出した。2.76カラットのダイヤモンドのラインに沿って上質なアコヤパールがリズミカルに配置され、品格と華やぎを創出。ペンダント アコヤ真珠×ダイヤモンド×ホワイトゴールド ￥3,850,000（ミキモト カスタマーズ・サービスセンター☎0120-868254）
“権力を誇示する輝き”から“日常に美を添える存在”に
慶事、弔事を問わず身にまとえる宝石、パール。球形のものが多く、穏やかで調和の取れた印象が信頼感を演出するジュエリーだ。ダイヤモンドなど無機起源である鉱物とは異なり、海などで育まれた母貝から誕生する“有機起源”というのも神秘的。思わずなめてみたくなるつやつやとしたテリを誇り、クレオパトラは真珠を溶かして飲んだという逸話もある。あの西太后から、近年はエリザベス女王までを魅了し、古今東西で権力者に愛されてきた。
最近では養殖技術が格段に進み、特別な日だけでなく日常的にパールジュエリーを楽しむ傾向にある。各ジュエラーからはモダンでデザイン性の高いものが多く登場。現アメリカ副大統領、カマラ・ハリスがパールを颯爽とスニーカーに合わせているように、新鮮なアクセントとして、装いに軽やかに取り入れて欲しい。
アメリカ合衆国初の女性、黒人副大統領として注目されるカマラ・ハリス。パール好きとしても知られ、2021年1月の大統領就任式では爽やかなパールネックレス使いが注目された ⒸAFP＝時事
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source : 文藝春秋 2024年4月号
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