女性区長が東京を変える

清家 愛 港区長
高際 みゆき 豊島区長
山田 加奈子 北区長

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「家庭」と「仕事」の両立に苦労してきた女性の強み

 山田 私は北区が地元で、電気屋の末っ娘として生まれ、政治家を目指す父の姿を見て育ちました。そんな経緯から「政治イコール生活」という感覚が体に染みついていて、身近な政治にずっと関心をもっていたんです。

 公立の小中高を出て短大を卒業し、保険会社での勤務を経て損保代理店を開いて独立した後、2007年から北区区議を4期、20年から東京都都議を2期務め、16年間の議員経験を経て、23年4月に区長選に出馬しました。いま区長として2年目を迎えています。

 高際 私も山田さんと同じ統一地方選に出て豊島区長に当選しましたが、もともとは政治家になるつもりはありませんでした。

 西東京市に生まれ育って、選挙に出るまでずっと住んでいました。公立の小中高を出て女子大を卒業後、サントリーに入社し、同期の男性社員に負けないつもりで、キャリアを積んでいました。ただ、30歳を迎えるあたりで、このまま続けるか迷いました。私は幼い頃からおばあちゃん子で、高齢者福祉に関心をもっていたところ、ちょうど東京都庁の経験者採用が始まったので転職したんです。そして25年間勤めたところで、全く予想外に豊島区の副区長になりました。その後は都庁に戻る予定でしたが、ご病気になられた区長から突然、「区長選に出てほしい」と言われました。行政職を勤め上げるつもりだったので何度もお断りしましたが、最後は腹を決めました。区長になってからは、本当にやりがいがあって、面白いなと毎日思っています。

ママたちの声を政治に

 清家 私は区長に就任してまだ日が浅いですが、前職が5期20年務めた後ですから、ヒエラルキーの外から来た人間がトップに立てば、おのずと今まで言えなかった意見も出てくるのでは、とまずは風通しを良くしようと仕事を始めたところです。

 港区で生まれ育ち、付属の中高から大学に進んで卒業した後、新聞記者になりました。「趣味は一人旅でアジア、秘境が大好き」という高際さんと同じで、私も学生時代はバックパックひとつで一人旅をするのが大好きで、戦場ジャーナリストとか新聞記者になるのが夢でした。そんな念願が叶って就いた仕事なので本当は辞めたくなかったのですが、出産、子育てとの両立の難しさを感じて、退職し、フリーランスとして子育てを優先することになりました。

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source : 文藝春秋 2024年9月号

genre : ニュース 社会 政治