科学アウトリーチに挑む

第7回

大栗 博司 物理学者

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ビジネス サイエンス
 

 私は、物理学の研究を職業としています。それを幅広い層の読者に紹介するために、2012年に『重力とは何か』と題した新書を上梓しました。

 このように、現役の研究者が、一般向けに研究内容や成果を伝える活動のことを、科学アウトリーチと言います。

 この本を書くきっかけになったのは、2011年3月11日に起きた東日本大震災です。私も、東京大学の柏キャンパスにいて、帰宅難民となりました。

 福島第一原発で事故が起きると、放射線の危険性などに関する誤った情報が出回りました。大手の新聞や雑誌にさえ科学リテラシーの欠如した記事が掲載され、その影響は現在の日本のエネルギー政策にも及んでいます。

 そのような状況の中で、科学と社会の関係についても考えるようになりました。

 ちょうど、幻冬舎新書の小木田順子編集長から科学解説書を出さないかというご相談があったので、自らの研究を一般向けに解説することで、基礎科学がなぜ社会にとって必要かを考え直す機会にしようと、お引き受けしました。

 この本を出版したことで、活動の幅が拡がりました。

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source : 文藝春秋 2024年11月号

genre : ビジネス サイエンス