岸田前首相が知らない「尊敬される条件」
岡藤 この3人が顔を合わせるのは1年ぶりですね。
新谷 2023年5月号の小誌記事「日本復活への道」で集まって以来ですね。お二人とともに首相官邸に乗り込み、岸田文雄前首相と共に少子化対策などを語り合う鼎談を行いました。岸田さんと岡藤さんの脳波を測りながらお話を伺うという、かなり異色の企画でした。
中野 岡藤さんの脳波がすごかったんですよね。ごく簡易的な計測ではあるんですが、ああいうパターンの波形は初めて目にしました。ビジネスのお話になると、深い瞑想状態というか、陶酔状態に入られる。お金の話になると脳内麻薬が出るタイプでした。
新谷 鼎談の最後に、国益むき出しの競争や国家間の争いが激化するなかで、日本人は国際社会にいかに向き合い、能力を発揮していくべきかという話になりました。
そこで中野さんが非常に気になる発言をされた。「脳科学を含めた科学的な知見として、どういう人が尊敬されるかについては、既に結論が出ている」と。その条件には二つあり、一つは「暴力を持っている人」。例えばアメリカのような軍事力の強い国がそれに当たるでしょうか。そしてもう一つは……と言いかけたところで、中野さんは「この続きは、またにしましょう」と。そこで鼎談が終了してしまった。
中野 次の鼎談へのお楽しみに残しておこうとしたんですよね。
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source : 文藝春秋 2024年11月号