月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。国民民主との窓口となった森山は首相の生殺与奪の権を握った
5度目の挑戦で悲願だった宰相の座を掴み取ったものの、石破茂の政権基盤は脆弱である。衆院選の惨敗で自民党と公明党で過半数を割り込んだのが最大の原因だが、党内の支持基盤が一枚岩ではないことも、少なからず影響している。すなわち、先代の岸田文雄と先々代の菅義偉、両キングメーカーの反目だ。
岸田は2021年、コロナ禍で内閣支持率の低下に喘ぐ菅を追い詰める形で、玉座を簒奪した。以来、菅にとって岸田は不倶戴天の相手である。
一方の岸田も菅への恨みを忘れてはいない。岸田は総裁選不出馬を表明した会見で、「今度こそオール自民党でドリームチームをつくって信頼回復に向けてしっかりと取り組んでもらいたい」と力説したが、この惜別の辞には「党内で足を引っ張られた」との怨嗟が凝縮されていた。その相手こそ「岸田降ろし」の狼煙を上げた菅にほかならない。
だが、高市早苗が総裁選で決選投票に残るや、「敵の敵は味方」の如く、岸田と菅は、石破政権誕生を後押しした。そんな呉越同舟のもと、少数与党で大海を漂流している。それが石破政権の実態だ。
総裁選が終われば、元の木阿弥。岸田は周囲に憤りを隠さなかった。
「これじゃあ、俺が総理を辞めた意味がまったくないじゃないか! 人事だって、ドリームチームどころか、本当にガラクタばっかり詰め込みやがって。そもそも、なぜあの人があそこに座っているんだ」
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source : 文藝春秋 2025年1月号