月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。若手が推す小林の背後に甘利の影。対する菅は戦略の見直しを迫られた
昨秋の自民党派閥による裏金事件から季節は巡り、酷暑の夏を迎えた。派閥解消宣言、所得税減税など、手は打ってきたものの、岸田文雄首相の狙いは外れ、内閣支持率は20%前後の低空飛行から抜け出せない。気がつけば、初秋の総裁選が目前に迫る。
「岸田では衆院選も参院選も戦えない」と、自民党では鬱積した不満が爆発寸前。もはや瀕死の宰相を尻目に、後継争いの幕が上がった。
「こんな時代なんだから、あなたが続けるしかない。総裁選に出なさい」
7月8日夜、愛知県と岐阜県の日帰り視察から戻った岸田を、首相公邸で待ち受けていたのは、自民党の森山裕総務会長、渡海紀三朗政調会長、小渕優子選対委員長だった。3人から焚きつけられた格好の岸田は、言を左右にして、明確な返答を避けた。「総理は、普段の言動とは裏腹に、不戦敗に傾いているのではないか」。同席者の胸にそんな思いが去来した。
実はこの直前、前日の東京都議補選での敗北を受け、安倍派に所属していた大西英男衆院議員が報道陣を前に、「総裁は謙虚に国民の声に耳を傾けて辞職を」とブチ上げていた。
その発言を伝え聞くや、岸田は「誰の責任だと思ってるんだ。清和会(安倍派)だろ。岸田のせいだと思っているヤツがいるなんて、たまったもんじゃない」と周辺に怒りをぶちまけた。
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source : 文藝春秋 2024年9月号