月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。幹事長の裏切りに憤る首相は最後の勝負で水無月解散を狙う
「現段階では解散なんて言える状況じゃない。今は政治資金の問題をどう乗り越えるか。それから経済にどうつなげていくかだ。今の雰囲気を変えるつもりだし、変わらなきゃ困る」
3月中旬、岸田文雄首相は関係者から衆院解散の可能性を探られると、こう漏らした。一見、解散の否定とも受け取れるが、この言葉の裏にこそ岸田の真意が凝縮されている。すなわち、安倍派幹部らの処分と春の賃上げ・所得減税で、今の雰囲気を一変させた後、衆院解散を断行する、と。
だが、「内閣支持率と自民党支持率を合わせて50%を切れば、政権は風前の灯火」という青木幹雄元自民党参院議員会長が編み出した定理に従えば、いつ岸田が退陣しても不思議ではない。さらに、自民党支持層における内閣支持率さえ5割を切り始めている。
逆境の岸田を追い込むように、幹事長でありながら、サボタージュに勤しんできたのが茂木敏充だ。現在の永田町で、政権与党のトップとナンバー2の反目を知らぬ者はいない。
「あの人だけは絶対に許さん!」
2024年度予算案の衆院通過を巡り、与野党が最終攻防を繰り広げていたとき、岸田は周辺にこう吐き捨てた。岸田が茂木更迭に向けて、腹を固めた瞬間だった。
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source : 文藝春秋 2024年5月号