「究極の選択」を決した岸田の一押し〈赤坂太郎 特別編〉

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猛追する高市に乗った麻生、最後は石破にかけた岸田

 過去最高の9人が立候補した自民党総裁選挙は、石破茂が高市早苗との決選投票で勝利した。21票の僅差だった。空前の乱戦は、石破茂、高市早苗、小泉進次郎の三つ巴の争いに絞られた後、議員票の奪い合いが熾烈を極めた。

高市早苗前経済安保相と石破茂新総裁 Ⓒ共同通信社

 選挙戦中盤、当初はトップと目されていた小泉は、党員支持率調査で3位という結果に焦っていた。

「集中砲火を浴びることは覚悟していた。ある意味、鈍感力を働かせながら頑張りますよ」と気丈に振舞うも表情は硬い。陣営の重鎮・元総務相の武田良太が小泉を一喝した。

「お前みたいに働いたことのない世襲議員が、軽々しく解雇規制の見直しとか主張したらいかん。ただ、後からブレるのはもっといかん」

 小泉は「そうですか……」と神妙に頷くしかなかった。

 後見人的存在の前総理・菅義偉も首を傾げるばかり。

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source : 文藝春秋 2024年11月号

genre : ニュース 社会 政治