このところ、雑誌などメディアのインタビューで、必ず聞かれる。
「内館さんは今、人生でやり残したことって何ですか」
これには理由があって、昨今、世をあげて「終活」が言われる。終活の準備をしていない人は、焦らされるほどだ。
しかし、多くは「他人軸」の終活だろう。財産分与について、役所や銀行の雑多な諸々の手続きなどを、遺族にわかりやすく書いておく。また、病気などで意思の疎通ができなくなった時、胃ろうや咽喉を切開する人工呼吸器、その他の延命治療などの諾否を書いておく。
これらは、どれほど遺族を楽にするか。だが、これは遺族が困らないようにと、いわば他人軸の終活である。シャレコウベになる本人のための、つまり「自分軸」の終活ではない。
自分のための終活をも、もっと考えてもいいはずだ。思い残すことなく、「ああ、いい人生だった」と旅立つには、本人を満たす終活が必要ではないか。
それには、どうしたらいいのか。そして気づいた。生きているうちに、やり残したことをやって、自分の人生に自分でケリをつける。これこそが本人のための、自分軸の終活だと。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
今だけ年額プラン50%OFF!
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
オススメ! 期間限定
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
450円/月
定価10,800円のところ、
2025/1/6㊊正午まで初年度5,400円
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2025年1月号