分厚い中間層をもう一度取り戻そう
石破茂総理がご就任されてから、経団連の会長として経済財政諮問会議の席などで、何度かお目にかかっています。目一杯詰め込まれたスケジュールを日々こなされて、きちんと休息できた日は1日もないでしょう。ただ、実際にお会いすると、お元気で、疲れた様子もありません。熱心にこちらの意見に耳を傾け、鋭い質問もなさる姿からは、経済成長への関心の高さも窺えました。
石破内閣が昨年11月に取りまとめた総合経済対策にも、経済優先の思いが表れていると思います。石破総理の経済政策は、岸田文雄前総理が掲げ、経団連も強く主張している、「成長と分配の好循環」などを柱とした、「新しい資本主義」を前提としています。
経済財政諮問会議の場では、「日本経済はデフレマインドからの脱却を目指す好機にあります」と、私の考えを総理に申し上げました。
2024年4〜6月期の名目GDPは年間換算で600兆円を超え、それを支える民間投資も2024年度は108兆円。2025年度は113兆円と増加見込みです。大幅な賃上げも2年連続で達成できました。基調的な物価上昇率も、日本銀行が目指す2%が着実に近づいています。
あらゆる指標が上向き、GDPギャップもほぼ解消されてきたところで、さらなる経済成長のためには半導体やGX(グリーントランスフォーメーション)などの成長分野にメリハリの利いた投資をぜひ行ってくださいと総理に伝えたのです。
昨年12月の補正予算案についても、供給サイドへの投資を含め、経済成長のための対策が盛り込まれた点は評価しています。ただ、本来であれば経済成長のための対策は、本予算で計上すべきもの。補正予算は、災害の発生や法改正などに対応するためのものです。
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source : 文藝春秋 2025年2月号