2013年、80歳という世界最高齢でエベレスト登頂を果たした三浦氏。実はその成功の陰には、医師も実践している「若さが甦る画期的な治療法」の存在があった。その全貌が今、明らかに――。
朝起きたら“高校生並”になっていた
「注射して1、2カ月経った頃です。体から元気が出て、やる気が湧いてきた。それどころか朝起きたら、“高校生並”になっていて、びっくりしました。もう嬉しくて、これは効いていると」
冒険家の三浦雄一郎さん(86)が初めて男性ホルモンの注射を打ったのは78歳の時だった。その2年前にスキーのジャンプで失敗し、左大腿骨頸部、右骨盤、恥骨を骨折したのがきっかけだった。
「腰がぐちゃっと割れる音がしました。すぐ病院で手術したのですが、先生からは『治っても車椅子生活だ』と。80歳でエベレストに挑戦したいと思っていたのに、退院するまで半年近く、歩くことすらできなかったのです」
リハビリを続けた結果、松葉づえで歩けるようになったものの、筋力が大幅に低下。それだけでなく、エベレスト登頂に向けトレーニングしなくてはいけないのに、落ち込んでやる気がなくなってしまっていた。
「これではいけないと、アンチエイジング研究で知られる白澤卓二先生(白澤抗加齢医学研究所所長)に相談したところ、『男性ホルモンを測ってみたら』と勧められたんです。血液検査をしてみると、年齢の割に数値が低いことがわかり、日本メンズヘルス医学会名誉理事長の熊本悦明先生(札幌医科大学名誉教授)を紹介していただきました。それで札幌の自宅から熊本先生のところに通い、男性ホルモン注射を打つようになったのです」
その結果は、冒頭の通りだ。男性ホルモンの注射と一緒に、バイアグラと同じED(勃起不全)治療薬で、動脈硬化予防の効果もあるとされる「シアリス(一般名・タダラフィル)」を処方された。“高校生並”になったのは、そのおかげもあるかもしれない。だが、三浦さんは男性ホルモンの効果を実感し、同級生にも勧めて感謝されたという。
そして、2013年5月23日、三浦さんは80歳の世界最高齢でエベレスト登頂に成功した。そのベースキャンプ内でも、同行医師に注射を打ってもらった。現在は中断しているが、「次は90歳でキリマンジャロ登頂かな。それに向けて、また注射を再開したい」と話す。
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source : 文藝春秋 2019年11月号