一枚の名画をのぞき込んでみると……

✓見えてきたのは「ホタテガイ」
ホタテガイは漢字だと「帆立貝」。文字どおり、帆を上げる貝だ。つまり二枚貝の一片を帆のように立て、帆掛け舟さながら海上を移動する、と信じられていたことからの命名である。実際に、ヒトデやタコといった天敵に襲われた時は海水を噴き出し、ピュッと移動して逃げる。「尻に帆を掛ける」という慣用句があるが、あわてて逃げる際のホタテガイもまさにそういう感じだろうか。弱肉強食の世界を生き抜くのは大変だ。
美の誕生譚

『ヴィーナスの誕生』
1485年頃、テンペラ、172.5×278.5cm、ウフィツィ美術館 / 写真提供 alamy/amanaimages
イタリア・ルネサンスの「顔」といえば、若く美しくはかなく、どこか愁いを秘めたこのヴィーナス像であろう。
それまで宗教画が主流だった絵画界で、本作はキリスト教と全く無関係なギリシャ神話を主題にした最初期の大作であり、15世紀における視覚の革命であった。しかも驚くべきことに、その魅力は未だ少しも色褪せていない。
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source : 文藝春秋 2025年4月号