ペットの白鳩?

第149回

中野 京子 作家・ドイツ文学者
エンタメ アート

一枚の名画をのぞき込んでみると……

 

✓見えてきたのは「オリーブ」

古代ギリシャでは、紀元前700年頃からオリーブ栽培が始まったという。この木は知恵の女神アテナの聖木であり、枝は古代における平和の象徴、また葉冠は競技の勝者に与えられた(今は月桂冠のほうが有名だが)。キリスト教においては「ノアの方舟」におけるオリーブの小枝のエピソードがよく知られている。画中で小さな手がもつ、青々としたオリーブの葉がそれだが、老いたノアの手ではない。ではこの手の主は誰?

 


 

ペットの白鳩?

『方舟への鳩の帰還』

1851年、油彩、88.2×54.9cm、アシュモリアン美術館 / 写真提供 Bridgeman Images/amanaimages

 鳩の帰巣本能は、なんと古代エジプト時代から知られていたという。当然ノアも知っていたわけだ。

 旧約聖書の「創世記」の物語である。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

初回登録は初月300円・1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

18,000円一括払い・1年更新

1,500円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2025年1月号

genre : エンタメ アート