なぜガーデンテラスを外資に売ったのか
「赤プリ(赤坂プリンスホテル)は多くの人の記憶に残るホテルでした。その跡地に建てた『東京ガーデンテラス紀尾井町』を売るとは思いませんでした。賃料収入も安定していた物件を外資に売るなんて信じられないし、許せません」
西武ホールディングス(HD)のOB・OGの多くが憤っている。
この“謎の売却”から見えてくるのは、「西武グループは誰のものなのか?」という疑問――「西武HDのものは創業家に返すのが当たり前。そうして身を引くのが自分の美学だ」と、かつては言っていた西武HDの後藤高志会長兼CEOと、創業家である堤家との“因縁”だ。
それを紐解く前に、まずは後藤氏がどんな人物なのかを追ってみる。
後藤氏は旧第一勧業銀行(現・みずほ銀行)出身。一躍有名になったのは、1997年に起きた総会屋への利益供与事件だ。企画部副部長の後藤氏は、後に作家となる広報マンの江上剛氏らと改革に奔走。行内を立て直した「四人組」の一人と言われた。
そんな後藤氏が西武HD入りするにあたって橋渡し役となったのは西武百貨店の社長を務めた故・和田繁明氏である。2004年10月に西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載が表面化すると、西武グループの中核会社だったコクドが経営破綻の危機を迎える。そこで和田氏は、西武百貨店を傘下に持つセゾングループを担当していた後藤氏を西武の“天皇”といわれた堤義明氏に紹介。2人は親交を深めていった。
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