ガスト、ロイホ、ドトール……チェーン店が勢揃い
そんな和光市駅の高架ホームから階段を降りて改札口を出ると、南北それぞれの出入口に通じる自由通路が出迎える。まずどちらに行くべきか少し迷ったが、南に向かう人の方が多いようなのできっと街の中心は“和光市駅南口”なのだろう。人の流れに乗ったまま、南口に出た。すると……なんとまあ、でっかい駅前広場である。地下には駐輪場があるようでそんな地下への入り口もあるし、バス乗り場にタクシー乗り場。目下駅ビルも工事中で、どうやらホテルまでできるらしい。
大きな和光市駅前広場を取り囲んでいるのは商業ビルで、もう“ありとあらゆる”チェーン店が揃っている。コンビニはもちろんのこと、ガストにロイヤルホスト、ドトールコーヒー、オリジン弁当、レンタルビデオのゲオもあった。少し歩けばイトーヨーカドーがあってそこにもたくさんチェーン飲食店が入っているし、チェーン系の居酒屋も軒を連ねる。さらに、駅前の通り沿いにはビジネスホテルチェーン・東横イン。他にもスーパーホテルまであった。ここまでありとあらゆるものが一揃いある駅前というのは、いささか驚いたし、東京近郊の駅を思い浮かべても意外と珍しいのではないか。人通りは平日の昼間でも絶えることはないし、意外と言っては失礼かもしれないが、賑やかな駅なのであった。
味のある個人経営の飲み屋さん、みたいなお店はあまり見当たらないようだが、それでも日々の暮らしを思えば充分すぎるし、池袋・新宿まで30分かからない利便性だってなかなかのもの。ビジネスホテルがあるので遠方からやってきたとて困ることはないし、終電で寝過ごしてやってきてしまっても大丈夫(タクシーを使ってもさほど懐が痛まない距離ではあるが)。「和光市駅」を勝手にナゾ扱いして日々疑問を膨らませていたことが、なんだか失礼に感じられるくらいに“すべてが揃った”街なのだ。和光市、侮ることなかれ。
では、なぜ地下鉄の終着駅にして東武東上線の途中駅が、これほど“揃った”駅になったのか。駅の周辺を歩き回らずとも、駅前のバス乗り場の案内板を見ればすぐに答えはみつかった。和光市駅周辺には、官民問わず大規模な施設が集まっているのだ。