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福原 例えばこの前、サンライズ(制作会社)に引き続きガンダムの権利を持っている創通(原作者)もバンダイナムコ(ビジネス)の傘下になりました。それによってガンダムというコンテンツをバンダイナムコだけで作れるようになったわけです。これってワンオーナーシステムっていう、ハリウッドメジャーと同じやり方です。だから時間はかかったけど、日本も世界標準の仕組みに近づきつつあるとは思います。

日本アニメは「ビジネスできてないからこそ広がった」

――福原さんの現在の仕事も、そういった仕組みに近づけているんでしょうか?

福原 現状僕がやっているコンテンツも、うちで原作を作ってます。ただ原作の知名度がないということはセールスの担保がないということなんで、普通はお金が集まらないんですよ。幸いうちは今までにヒットが出たりとか、組んでくれてるクリエイターさんの知名度でなんとかなってますけど。そう言った意味での期待値ということでも、僕はなるべく権利をまとめて、ビジネスも一箇所でやるようにしてます。今の仕組みって、どうしてもビジネスの人がクリエイティブをないがしろにできちゃうんで。

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――どっちにしろビジネスの人が一番強いですよね。

福原 そうですね。ただ、今までの日本って、いいものは作るけどビジネスがヘタだったんですよ。これだけ日本のアニメが世界中で見られたのって、昔の日本人の著作権管理がヘタだったからなんです。でもそれによって、世界中の子供がそれを見て育った。ビジネスできてないからこそ広がったものではあるんです。

――間違えて安く売っちゃったからこそ広まったわけですね。

福原 そのころ子供だった人たちが今40歳くらいになって、企業で決定権を持って今の日本を推してくれてるんです。でもおそらく、この先はアニメイコール日本っていう子供はだいぶ少なくなると思います。

――『ドラゴンボール』を見てるのだって、いい歳の人ばかりですもんね。

福原 日本人の女子高生だって、『ドラゴンボール』は見てないと思いますよ。日本のクリエイターは引き続き優秀なんです。そういうアニメーターの仕事は本当に素晴らしい。だからその周囲にいるプロデューサーが、どうやって金を還元するかを必死で考えないと、足元から崩れますよね。今までずっとクリエイターの努力にあぐらをかいてたビジネスが、もっと優秀な外国人がきた時に弱点を露呈したっていうことなんで。