さる1月9日、日本自動車販売協会連合会=自販連から2019年の乗用車販売実績が発表された。巷でいうところの白ナンバーの普通車、その販売ランキングである。
1位 プリウス(トヨタ)
2位 ノート(日産)
3位 シエンタ(トヨタ)
4位 カローラ(トヨタ)
5位 アクア(トヨタ)
まず踏まえておくべきは、約12万5000台を売った1位のプリウスでさえ、軽自動車の実績も含めてみれば5位ということだ。総合上位は軽自動車が独占しており、全体1位のN-BOXに比べればその年間販売台数はざっと半分と、今や日本の全新車販売の4割を占める軽自動車の底力を思い知る。言い換えればそれは、日本人がクルマに対して必要外の余剰的な出費を良しとしていないことを示しているのかもしれない。
ハイブリッドカーを当然のものと定着させたプリウスの功績
と、現在の国民車がN-BOXであるように、プリウスもかつて圧倒的国民車と認識されていた時期がある。それは3代目モデルが登場した2010年前後だ。販売台数は年間30万台を突破、ひと月に3万台以上を売ることも多く、路上に溢れたプリウスの売れっぷりは社会現象的にさえ捉えられた。
世界初の量産型ハイブリッドカーとして初代が登場したのは1997年のこと。そして2003年に2代目へとスイッチし、プリウスはじわじわとその認知度を高めていった。干支ひと周りでようやく迎えたこの需要の爆発期が、すなわち日本においてハイブリッドシステムが特別ではなく当然のものとなった時期ということになるだろう。
それからざっと10年近い月日が流れて、4代目となった現在のプリウス。その販売状況には往時の勢いはない。2019年は普通車販売1位だったものの、2018年はノートやアクアに次ぐ3位。台数的には往時の1/2~1/3といった趣だ。