ここで重要だと思うのは「それなら知事になればいい」という返し。
これは「だったら自分が政治家になってやればいい」「文句があるなら選挙で勝てばいい」という論理に似ている。
そもそもほとんどの人は知事や政治家にはなりたいとは思っていない。でもおかしなことがあったらその都度言ったっていいだろう。有権者なのだから。今回の「#検察庁法改正案に抗議します」だって同じだ。
束ね法案で思い出す、「段ボール肉まん」
前回、私は黒川定年延長問題からの今回の検察庁法改正案を「姑息の集大成」と書いた。
閣議決定のおかしさを批判されると慌てて無理筋の解釈変更をし、それも炎上すると今度は後付けで法律そのものを変えようとする。今までもお馴染みの政権の手法だ。だから姑息の集大成なのである。
次の点もそう。
「争点隠し 過去にも 『検察庁法』 10本の『束ね法案』」(東京新聞5月17日)
検察庁法改正案は、国家公務員法改正案など計10本を束ねた一括法案として審議されている。
《世論の反発が強い法案を潜り込ませ、審議時間を縮める狙いも指摘される。》
《束ね法案は安倍政権の常とう手段だ。》
15年に成立した安全保障関連法では10本、18年に成立した働き方関連法では8本を一本化している。
これで思い出すのは「段ボール肉まん」である。
2007年に中国で材料をごまかすために段ボールの切れ端を肉まんに入れたという衝撃ニュースがあった。後にこの段ボール肉まん事件はテレビ局のヤラセであることがわかったが、永田町でおこなわれていたのはまさに段ボール肉まんだった。
反対者が少ない国家公務員法改正案という「肉」に、抗議だらけの検察庁法改正案という「段ボール」を混ぜている。段ボール肉まんは日本の国会に実在したのである。
今回、検察庁法改正案を国家公務員法改正案とまとめたため、法案審査の舞台は内閣委員会となった。与党は法務委員会ではないことを理由に森雅子法相の出席を当初拒んだ。
堂々と議論せよと言っているのにしらを切る。精肉店のオーナー(森法相)は当初出てこなかった。その代わりに自分でもよくわかってないおじさん(武田良太国家公務員制度担当相)が店先で対応していた。
これは揉めるにきまってる。この対応、このプロセスを姑息と言わずになんと言う。
そりゃ、歌手だろうが俳優だろうが会社員だろうがおかしいと思うだろう。
こういう振る舞いを見てると次期国会になったとしても、#検察庁法改正案に抗議します