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2020/08/30

河野太郎 ★2.5 「一匹狼だから利害を超えられる」

 はっきりモノを言う派の印象が強い河野さんですが、大臣としての活躍ぶりをみていると、イデオロギー先行ではありません。監督省庁の“あるべき形”はどういうものかを具体的に追求する。河野さん自身の関心は組織運営に向けられることが多いのです。

 たとえば、防衛省のトップとして行政改革を重視する河野さんは、今年6月、イージス・アショアの高コストに疑問を投げかけて、撤回しました。「防衛装備としてイージス・アショアはおかしい」という打撃力重視の信条を貫いたというよりも、あくまで「組織のガバナンス」やコストカットという視点で判断したのです。

河野太郎氏 ©文藝春秋

 2016年の南スーダン日報隠蔽問題もそうです。「日報は廃棄した」という防衛省に対して、党で行政改革を担当していた河野さんは「日報をすべて出せ」と主張した。結局、そこから統合幕僚監部のデータ提出につながり、陸上自衛隊にデータが残っていたことも判明し、稲田朋美防衛大臣が追い込まれて辞任しました。「しっかりした省庁の態度、ガバナンスが必要だ」という姿勢をとり続けている点は一貫しています。

 人と群れない「一匹狼」だからこそできた仕事なのかも知れません。ガバナンス能力は、国家という大きな組織を運営する首相に期待される重要な能力のひとつです。が、一方でいざ本当の先頭に立ったときに、どれだけの味方がついてきてくれるかという問題が残るのも事実です。