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2020/10/05

イチロー選手もやっていた!

 このストレッチをやってみて、気づいた人もいるのではないでしょうか。そう、これはメジャー・リーグのシアトル・マリナーズなどで大活躍したイチロー選手が、打席に入る前によく行っていたストレッチとほとんど同じです。

 このストレッチを行えば、スクワットと同じように腰を支えるおしりや太ももの筋肉が鍛えられるだけでなく、脊椎を安定させて姿勢を維持するインナーマッスルである多裂筋を引き延ばし、解きほぐしてくれます。

 イチロー選手はバッティングに必要な体の可動域を広げるために、このストレッチを行っていたのかもしれませんが、腰割りねじりストレッチは腰の安定性を高めて腰痛を予防するとても理にかなったストレッチなのです。戸田医師が言います。

イチロー選手 ©文藝春秋

「実際にわたしのクリニックで、腰痛(非特異的腰痛)の患者さん38人を腰割りねじりストレッチを指導するグループと指導しないグループに分けて2週間後の治療成績を比較したところ、指導したグループのほうが明らかに腰痛が改善し、背筋の硬さもやわらかくなっていました」(戸田佳孝「慢性非特異的腰痛症に対する腰割り姿勢での腰椎回旋運動とトリガーポイント注射の併用効果」臨床雑誌整形外科70:741-744,2019)

腰を動かすことが大事

 ほかにも、腰痛を改善させる方法には、和式トイレの姿勢で行うストレッチや腰まわりの筋肉を鍛える筋トレなど、さまざまな方法があるのですが、医学的にも、痛いからといってじっとしたままでいるのは、よくないことがわかっています。「腰を動かすこと」が腰こりの緩和になり、ひいては腰痛の予防・改善につながるのです。

「もし腰が痛くてどうしても動かせないという人は、麻酔薬などをつかったトリガーポイント注射や神経ブロック注射などがあります。これらの注射を整形外科で打ってもらってください。痛みがやわらいでいる間にストレッチや筋トレを行えば、『痛みの悪循環』から逃れることができるはずです」(戸田医師)

 長時間座りっぱなしの生活は、死亡リスクを高めるという研究結果もあります(WASEDA ONLINE「『座り過ぎ』が健康寿命を縮める」岡浩一朗/早稲田大学スポーツ科学学術院教授)。腰痛を予防するだけでなく健康を維持するためにも、こうしたストレッチを生活習慣の中に採り入れることが大切だと言えるでしょう。

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