女性が女性にツッコめるようにならないといけない
――第7世代の方にインタビューすると「同世代で何かやりたい」というお話をよく聞きます。確かに今だと30代40代の芸人さんのところに自分たちが呼ばれて、ちょっと変ないじられ方をして終わるみたいなことも多い。
加納 いわゆるひな壇的なね。同世代、同性で何かやりたいというのは、一個の目標ではあります。
――これも『レイコーラジオ』でおっしゃっていたことだと思うんですけれども「女性が女性にツッコめるようにならないといけない」と。それはずっと持たれている問題意識なんですか?
加納 そうですね。たぶん、男女コンビでは培えない能力やと思うので。女芸人コンビやからこそ、わりと意識してやりたいなという気持ちはありますね。
――女性は女性にツッコみづらいですか?
加納 例えばぼる塾のあんりとか、芸人じゃないですけど、マツコさんとかがツッコむのは痛快なんですけど、まだうちらみたいなんが上の人にツッコんだ時に、あんまり気持ちよくないんじゃないかって。もしかしたらまだそこに及んでないかもしれないですね。できるようにはなりたいと思います。
「性別」というものに、逆に縛られていたのかもしれない
――今年はTHE W決勝(12月14日放送)に残られました。今までTHE Wからはちょっと遠ざかっていたとお伺いしましたが。
加納 やっぱりちょっとはずかったですね。The Wの第1回の大会に出て、予選会場に行った時に、普段劇場のどこにもおらんやつばっかりやん、って思って。「誰やねん、こいつら」みたいなんを最初は思っちゃって。そんなん本当は関係ないんですけど。で、そのまま「誰やねん」みたいなメンバーがガーッと決勝に上がった時に、普段劇場で戦ってるのは何なんやろうって思ったし。
――ちょっと切ない気分になりますね。
加納 はい。「性別」というものに、逆に縛られていたのかもしれないです。コントやるんやったらキングオブコントでいいし、漫才やるんやったらM-1でいいし、と思ってた。あんまり柔軟に考えられてなかったのかもしれないですね。
でも、冷静に考えたら「女やからとりあえず入れておくか」ってキャスティングしてもらったことも絶対あると思うんですよ。「性別」に恩恵は受けてたはずなんです。
だから、その辺に関しては、もっと違う方向から考えたい……今回(THE W)でいったら、コントも漫才もありの異種格闘技やから、何やってもいい大会としてとらえるとか。他の見方をしようという方向に自分を持っていけたというのがよかったのかもしれない。周りの影響もありますけどね。
――それこそ「愛のあるアドバイス」もあっての変化だったんですか?
加納 はい。本当は去年の段階で、今年やったネタでWに出ましょうって言われてたんです。それこそ白武さんに「今年W、これで出ましょう」って。「いやいやいや」って、その時はちょっとまだ気持ちが追いついてなかったんですけど。