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 しかしガラケー時代には、「同じ携帯会社を使っている」ことをきっかけに、クラスメイトと仲良くなる場合もあったのだ。筆者の中学・高校時代の友人には、業界3位にすぎないはずのJ-PHONEユーザーが、不思議なほど多かった。

 当時は送れるメールにも厳しい文字数制限があったが、全角3000字という多くの文字を送受信できる「ロングメール」のサービスには、容量拡大の恩恵を受けてファイル添付機能があった。それを使って、自作の着メロや待受画像を交換したのも懐かしい。全国的に多数を占める“ドコモ派”とは違う形になるが、やはりガラケーには思い出話が尽きない。

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“保護”したあのメールは今

 ガラケー時代には、そうした個別のメールを「保護」に設定することもよくあった。

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 メールサーバーというのはあくまでも、ユーザーの手元に届くまでの間の一時的な保管場所であって、恒久的な保管場所ではない。したがって、持ち主の手元に届いたメールは基本的に、ネットワーク上から破棄される。

 ガラケーの頃は本体のストレージ容量が限られていたため、端末内部でも古いメールから順次消去される仕組みになっていた。重要なメールが自動的に消えないようにするには、「保護」の操作が必要だったのである。

 しかし大切なメールを保護したところで、それは機種変更までの短い命だった。キャリアによっては受信メールの「引っ越し」が可能なケースもあったが、仕組みの違うスマホにはさすがに移せなかった。だから「あの頃のメール」は押し入れを探り、古いケーブルで充電しないと表示できない。

 携帯電話の普及以来、我々は仕事や友人関係、そして恋のメッセージまで、全部をポケットに入れて持ち歩くようになった。ただのつまらない文字列でも、当時の画面に当時のフォントで表示されると、よみがえる記憶があるかもしれない。

参考:一般社団法人日本ビジネスメール協会(https://business-mail.jp/mail-writing/10595)