「すごく、似ている感じがします。木とか草とか(略)似ていると思います」―。

 秋篠宮家の長男でお茶の水女子大学附属中学校3年の悠仁親王(15)は、2019年8月16日から25日までブータンを私的に訪問した。両親の秋篠宮夫妻と一緒にブータンを訪れた悠仁親王は、同行した記者たちから「日本とはやはり少し違いますか?」と、質問されたのを受けて、上記のようにしっかりと自分の意見を述べた。

直系から傍系へ

 国立博物館を見学し伝統文化に触れ、弓技場で弓技に挑戦。ブータンの人から指導されて矢を放つと、周囲から拍手と歓声が沸き起こり、悠仁親王は笑顔で、これに応えた。また、公立学校で、列の先頭から後方にボールを渡す早さを競うゲームに参加し、同世代の生徒たちと触れ合い、ワンチュク国王夫妻との懇談には、紋付き羽織袴姿で臨んだ。初めての外国訪問で、彼は実り豊かな時間を過ごした。

ADVERTISEMENT

ブータン王国から帰国された悠仁さま ©JMPA

 19年は、悠仁親王にとって大きな節目となった。5月1日、新天皇が即位して新元号「令和」がスタートした。これに伴って、天皇の弟である秋篠宮は皇嗣という、より重い立場に替わった。兄天皇と5歳違いの秋篠宮は、天皇の位を継ぐ皇位継承順位が第1位となった。さらに、中学生ながら悠仁親王が皇位継承順位の第2位となった。「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めた現行の皇室典範の下では、天皇と皇后の長女で、現在、学習院大学2年の愛子内親王には天皇になる資格がない。

 近現代の天皇制を思い返すと、「明治」から「大正」、「昭和」、「平成」、「令和」へと天皇の位である皇位は、父から息子へと代々、移行されてきた。しかし、「令和」の次の時代は、皇室典範に従えば、父から息子ではなく、天皇の位が、兄から弟、もしくは弟の長男へ移ることとなる。こうした、直系から傍系へと皇位が移るという変化は、近現代史の中で日本人が初めて体験する出来事であり、悠仁親王の動静はこれまで以上に、国民から注視されることとなる。