スポーツ界でも新成人の活躍が著しい。昨年の東京五輪では、体操の男子個人総合と種目別鉄棒で2冠を達成した橋本大輝(8月7日生まれ)、スケートボードの女子パークで優勝した四十住さくら(3月15日生まれ)、競泳・男子200mバタフライで銀メダル獲得の本多灯(12月31日生まれ)、サーフィン女子で銅メダル獲得の都筑有夢路(4月5日生まれ)と、この年代から4人のメダリストが誕生している。
橋本は個人総合を振り返って、最後に挑んだ鉄棒では《緊張もあったのですが、通しきれたら間違いなく金メダルを獲れるし、楽しい試合にできると思っていたので、最後は楽しんで一周一周の車輪を大きく回していました》と語っている(『Number』2021年9月9日号)。
和歌山出身の四十住は、地元の練習場で子供に教えることもよくあり、怖がっている子には「そんなときこそ楽しんで!」とアドバイスしているという(『文藝春秋』2021年1月号)。ここ一番というときこそ楽しむというのは、この世代のアスリート全般に共通する信条なのかもしれない。
サッカー日本代表・久保建英
東京五輪の男子サッカーでは、グループステージでMFの久保建英(スペイン・マジョルカ/6月4日生まれ)が3試合連続で先制ゴールを奪う活躍を見せたが、準決勝、3位決定戦と連敗してメダルには届かず、涙を飲んだ。
久保は昨年9月、けがのためマジョルカとW杯アジア最終予選の日本代表から一時離脱するも、11月にはマジョルカに復帰。この年明けは2日と5日の試合こそ欠場したものの、8日のレバンテ戦では招集メンバー入りした。今月27日と来月1日には埼玉でのW杯最終予選の中国戦、サウジアラビア戦も迫り、出場するか注目される。
来月に迫った北京冬季五輪では、フィギュアスケート・ペアの日本代表として三浦璃来(12月17日生まれ)の木原龍一との出場が決まっている。
ウィンタースポーツのなかでも、とりわけ若い世代が多いスノーボードでは、スロープスタイルとビッグエアの大塚健(4月2日生まれ)・國武大晃(2月10日生まれ)・岩渕麗楽(12月14日生まれ)、ハーフパイプの戸塚優斗(9月27日生まれ)や平野流佳(3月12日生まれ)がすでにW杯やX Gamesなどの国際大会で実績を残している。この前後の年代にも才能がひしめくだけに、五輪出場枠をかけての競争も熾烈だ。