今年3月16日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した直後、東京・市ヶ谷の防衛省で自衛官ら200名が集まり、退官する山村浩・前海上幕僚長のために「山P」の人文字写真を撮影していたことが「週刊文春」の取材でわかった。この日は東京都に「まん延防止等重点措置」が適用されていた。
韓国軍の合同参謀本部が発表した北朝鮮による弾道ミサイル発射時刻は3月16日午前9時30分頃。この日の打ち上げは「失敗した」と報じられたが、その後も北朝鮮はミサイル発射実験を連発。2022年に入って以降、合計13回も行っている(4月18日時点)。
防衛省で写真撮影が行われたのは、3月16日のミサイル発射から約2時間30分後の正午過ぎだった。
〈急遽ですが、市ヶ谷勤務員で集合写真を撮影することになりました。手空きの方はご参加ください!〉
まさにミサイル発射の最中の9時30分頃、市ヶ谷で勤務する海上自衛官らにこう記されたメールが送られてきたという。
山村浩・前海上幕僚長の退官は3月30日付。幕僚長退官に際した集合写真の撮影は、海上自衛隊の慣習としてこれまで行われてきた。
この日は北朝鮮がミサイルを発射したことに加え、都内に「まん防」が発令されていた。そのため、内部では「コロナ禍でこれをやるのはマズいだろう」という声が上がっていたという。
しかし撮影は敢行された。まず約400人が儀仗広場に集められ、通常の集合写真を撮影。その後、“オマケ”でもう1枚、写真を撮影することに。防衛省関係者が明かす。
「『山P』という人文字を作っての記念撮影が行われたのです。『山P』とは山村前海幕長のこと。本人の希望があったといいます。人文字の記念撮影は極めて異例です」