イタリアに留学経験がある本場仕込みの“美熟女オペラ歌手”。高級レストランでの食事や、高級ブランド品の買い物の様子をたびたびSNSにアップする、華やかな生活の裏にあった、地元で噂される彼女の素顔とは――。
100人以上の知人をFX投資に勧誘していた疑い
三重県警は9月15日、国に登録をせずにFX投資の勧誘をしたとして、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで、オペラ歌手の高倉宏恵容疑者(44)と古田貴之容疑者(33)を逮捕した。容疑は2019年12月から20年3月にかけて、三重県四日市市内で高倉容疑者の知人女性6人にFX投資の勧誘をしたというもの。
高倉、古田の両容疑者が知り合ったのは投資ビジネスがきっかけだった。出資者の勧誘はもっぱら高倉容疑者が担当していたが、2021年ごろから「投資先の運用事業が破綻した」と言って配当金を支払わなくなったことでトラブルが顕在化した。余罪は他にも複数ある可能性もあるという。全国紙社会部記者が語る。
「逮捕容疑は6人分だけですが、県警によると他にも100人以上の知人を勧誘していた疑いがあり、集めた投資額の合計は約1億7000万円に達するとみられています。高倉容疑者本人のブログや公式HPによると、オペラの本場・イタリアへの留学経験があり、コンクールでの受賞経験もありました」
地元の名士であるオペラ歌手だが、“裏の顔”が疑われ…
派手なドレスに身を包んでステージに上がり、オペラ歌手として活動。出身地の三重県四日市のFMラジオ局では「高倉宏恵のアモーレムジカーレ」という冠番組を持ち、関係者には有名な歌手との人脈についても自慢げに話すこともあったようだ。
「コロナ前までは三重県内を中心に、約2000席のキャパシティがある文化センターでコンサートを開いたり、高級ホテルの宴会場でディナーショーを主催したりするなど、地元では知られた存在だったようです。2016年には、四日市市の『市民文化奨励賞』も受賞しています」(同前)
四日市の名士として広く知られていた高倉容疑者が違法行為に手を染めていたことは地元に衝撃を与えた。だが、実は事件発覚前から一部の住民の間では“裏の顔”を疑う声も根強くあったという。四日市市民が語る。
「5年前のある日、知人がレストランに呼ばれて行くと、高倉さんと作務衣を着た謎の高齢男性が座っていて、『私はイタリアで投資の勉強をしたんだけど、あなたもやってみない?』と突然勧誘されたそうなんです。“儲け話”をしている割に、男性が乗ってきた車は廃車寸前のボロだったそうで『怪しいな』と思い、結局断ったと聞きました。コンサートチケットは高倉容疑者の母親が無料で配っていましたし、オペラ歌手とはいえせいぜい田舎で有名なだけ。それであれだけ派手な生活ができるのか不思議に思っていました。栄養価が高い『ノニ』という果物を売りつけるネットワークビジネスにハマっていたり、仮想通貨にも手を出していたりと、どこか胡散臭いと思う人も多かったですよ」
オペラ歌手としての表の顔と、いわくつきの投資話を持ち掛ける裏の顔。2つの顔はどのようにして形成されたのか。