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 類似団体が毎期歳入と歳出をトントンでやっていることに対して、Colaboだけが資産額を急成長させていたことが分かると、俄然「Colaboは本当に毎期末この金額の現預金を口座に積んでいるのか」という問題に注目が集まります。一般社団法人が、集まった助成金や寄付金、サポーター代金などを、手がける公益事業で使い切れていないことを意味するからです。

 さらに、暇空茜さんの執拗な批判とそれへの賛同の広がりに堪えかねて、Colabo側も潔白を宣言すべく、左翼活動家界隈にはお馴染みの弁護士らが7名居並んで釈明の記者会見を開催することになりました。ここで、正式にColaboは前述「貧困ビジネス」や「タコ部屋」などの批判に対して名誉毀損を提訴することになります。

 さらに、国会質問の論戦についに本件Colabo問題が登場。Colabo側に立憲民主党の岡本あき子さんが質問台に立ち、一方批判側ではNHK党の浜田聡さんが問題点を指摘するなど、話は単なる誹謗中傷とは異なる側面へと波及していきました。

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 維新の会の音喜多駿さんもTwitterやブログ、YouTubeで厚生労働省に本件問題のヒヤリングした結果を公表し、さらに東京都の事業所管である福祉保健局にも凸しています。いよいよ面倒に拍車がかかってきました。『地獄の門』からもくもくと黒煙が上がっています。右と左に分かれて玉入れでもやってんのかという塩梅ですが、事実、本当にそういう展開になっているので仕方がありません。

 こうなってしまうと、もはや法廷闘争待ったなしとなり、騒動の拳のおろしどころは少なくとも当事者同士ではなくなってしまいます。

写真はイメージ ©️iStock.com

「凡ミスでした」と認めれば「次からは気をつけろよ」で話が終わっていただろうに

 本来ならば、東京都からの委託事業に関する経費計算や、交付金など都税を含む公的な資金がColaboに振り込まれている以上は、簿記に基づいてきちんと経費などを適切に仕訳して精算し、東京都に報告しなければなりません。

 しかし、ここで暇空茜さんの情報開示請求に対して都側が中身を類推できる雑な黒塗りで対応したため、そのうちの一部、車両関係費にユニクロやGUなどの服飾費が計上されていることが分かりました。都庁、ちゃんと仕事しろ。また、タイヤ交換についても不適切な支出があったのではないかという疑義があったため、会計が不明朗なのではないかと騒がれることになってしまったのです。

 ここで、Colabo側がおとなしく「凡ミスでした」と再精算と東京都への報告書や計画書の再提出を先に宣言してしまえば、「次からは気をつけろよ」で話が終わっていた可能性が高かったのも事実です。正直、たいした金額ではなく、また、公益事業で、特に企画入札(コンペ入札)において計画予算から実績が2割前後上下することはよくあることですから。