「質問ありますか?」と聞かれたので「関ケ原ウォーランド」について訊ねてみることに。すると…
ジオラマの前には、100脚を超える椅子とテーブルが整然と並んでいた。ここで館長による歴史講話が開催されているからだろう。開催は不定期だが、事前に予約すれば講話を無料で聞くことができる。
この日、私は事前にホームページから予約をしていた。そのため、資料館の入り口には「13時 館長の歴史講話」との貼り紙があった。時間になると西村館長が現れたが、私のほかに聴衆は一人も現れなかった。
歴史講話は、一般的な関ケ原の戦いに関する史実から西村館長による独自の解釈など多岐にわたり、時にクイズを交えながら展開された。とても興味深く、楽しい時間はあっという間に過ぎた。「何か質問ありますか?」と聞かれたので、ここぞとばかりに関ケ原ウォーランドのことを訊ねた。
関ケ原ウォーランドのオープンは60年近く前。きっかけは…
まず、関ケ原ウォーランドがオープンしたのは今から58年前の1964年。関ケ原には今でこそ古戦場記念館や観光交流館があり、合戦地や各武将の陣地跡が観光地として整備されているが、当時は合戦の地を示す観光施設は皆無だった。それを憂えた創業者の父親が、ここ関ケ原合戦の地に資料館を創るよう、遺言を残した。
遺言を守り、先代の社長である谷口氏が私財を投じて関ケ原ウォーランドを開設した。行政に頼ると制約が生じるため、完全民営の施設として現在まで至っている。園の目玉である無数のコンクリート像は実物大のジオラマという位置づけで、史実に基づいて陣地図を再現している。園内を巡ると合戦の経過が分かるように配置されている。
コンクリート像は実物大をうたっているが、実際には少し大きめに作られている。迫力を演出するために、あえて大きめに作ったのだという。あの迫力は、演出されたものだったのだ。