9月14日。阪神タイガースのセ・リーグ優勝が決まりました。

 帰ってきた岡田彰布監督の下でつかみ取った「アレ」には、多くの歓喜と勝利の栄光が盛り込まれていました。

 前回の優勝時には3000人以上が行った道頓堀へのダイブは、今回は30人程度だったそうです。そんな時代の流れを感じたりしながら、ジャイアンツファンの優勝を目指し応援する日々はこの日、終わりを告げました。

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 しかし、まだシーズンは終わりません。

 3位以内に入り、CSに進出できるのか。

 岡本和真選手はどこまで本塁打数を伸ばすのか。

 秋広優人選手は規定打席に届くのか。

 最後のひとしずくまでプロ野球を、ジャイアンツを堪能し尽くすことができます。

 そもそも今季に限っていえば、優勝争いを最終盤まで演じていたわけではないので、「優勝を目指し応援する日々」はだいぶ早い段階で幕を閉じていたようにも思えます。

 チームに優勝の目がなくなってくると、ファンの熱量が下がっていきます。テレビ中継に映る、スタンドの空席を見れば一目瞭然。

 球場に駆けつけるファンの多くは、チームの勝利を期待しているはずです。しかし、真剣勝負のプロ野球で必ずそれを見られるはずもありません。

 私が所属する純烈のコンサートであれば、「こんな気持ちでお帰りいただこう」というゴールに向けて、曲順やトーク、演出も含めて我々が作ることが可能です。でも、野球の試合はそうはいきません。

「野球は筋書きのないドラマである」

 という格言は本当に的確すぎるのです。

原辰徳監督 ©時事通信社

あなたの思う理想のジャイアンツは?

 優勝争いを演じるチームを応援している時期は、なんだかんだでファンも1つの方向を向いています。それが優勝戦線から逸れて後退し始めた時、ファンはそれぞれの方向性に散らばるのです。

 若手の起用を訴え未来を目指す人。

 監督の交代を訴える人。

 チーム成績ではなく個人成績に注目する人。

 優勝争いではないけど目の前の1勝を目指す人。

 そして、そのシーズンは興味が薄れていく人。

 どの方向を向くかは個人の自由であることは言うまでもありません。優勝を果たすチーム以外のファンは、遅かれ早かれこの時期を迎えます。

 今年は若手起用が目立つジャイアンツ。9月2日に支配下指名のルーキーが全員出場を果たしたDeNAとの試合で、歓喜したジャイアンツファンの方も多かったのではないでしょうか? 試合の方は4対13という大差で敗北を喫したのですが……。

 9月16日現在の1軍にはルーキーの門脇誠選手をはじめ、岡田悠希選手に秋広選手や船迫大雅投手がいて、2年目の大勢投手もようやく戻ってきてくれました。他にも松井颯投手や菊地大稀投手もいるのです。

 若手を積極的に起用しながら、目の前の試合でも白星が連発……なんて都合のいい話があれば、こんな幸せなことはありません。

 個人的には実績のある中島宏之選手や松田宣浩選手がベテランの力を1軍で示してくれたらもう少し勝利も増えるかなと思いつつ、若手の躍動に喜ぶというスタンスです。

 巨人ファン同士で居酒屋にいけば、こういった議論で何杯もお酒が進むと思います。