3、4浪目になると周りで合格する人が増えてきて、アレ？ 私、大丈夫かな？ と多少不安を感じ始めました。4浪を過ぎると同級生が大学を卒業して結婚したり、社会人になっていくんです。周りがどんどん進んでいく中で時間だけが過ぎている自分はこのままで大丈夫かなと不安を感じつつも、それ以上に医学部に行きたい！ 医師になりたい！ と前向きな気持ちが強かったと思います。
成績もだいぶ伸びてきたし、次こそは！ と思いながら4浪目もやっぱりダメで5浪目を迎えることになりました。
浪人を重ねていくと、この先医学部受験を辞めて一般企業を受けようと思ったときに、多浪で就職が厳しくなる気がしたんです。医師になりたい気持ちが一番でしたが、ここまできたし医師の資格を絶対に欲しいと段々と後戻りができない状況になってきました。
途中でやめようとは思わなかったのですか？
――浪人が続く中で途中で諦めようと思ったことや、周りから言われたことはありますか？
原 3、4浪目あたりからですかね。大学受験のために高校の担任の先生に調査書（高校在学時の成績や学習態度、学校生活の様子や出欠状況等が記された書類）を毎年もらいに行ってたんですけど。そのとき先生から「もうちょっと違うところも受けてみようよ」「医学部以外も考えてみたら？」とは言われました。担任の先生は私の仲のいい高校の友人にも、「千晶にはやく諦めるように言ってくれない？」と伝えていたみたいですが、心配してくださってありがたいと思いながらも、私の中では「諦め」という言葉はなかったですね。
――なんだかカッコイイですね…。
原 いやいやいや、結果受かってないですから（笑）。
――ついに6浪目を迎えました。どんな心境でしたか。
原 最後の1年にしようと思いました。元々浪人の期限を決めずに勉強していましたが、5浪目も不合格とわかったときに結構ショックが大きかったんです。一番勉強したのもこの年だったし、成績も上がっていたので「今度こそは！」って期待も大きかった。それが結果不合格とわかったときは4浪目の合格発表に続いて泣いてしまいましたね。
