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「家族で介護するのが当たり前」日本の閉鎖的な風潮に思うこと

――もし安藤さんのご両親やご家族が介護が必要になった場合、どうされますか。

安藤 もちろんサービスを使って、第三者に介護をお願いしますね。おそらく私もパニックになると思いますし、気持ちを切り離せなくなる予想がつくので、そこはちゃんと人に任せたり助けを求めたいと思っています。

 周りの介護職の方も、自分の家族の介護が必要になった場合には、第三者にお願いしている・将来お願いしようと考えている、という人が多いです。やっぱり「自分の親が」となると急にテンパってしまうみたいです。実際に自分の親を介護した介護職の方に聞いたら、「ああ、全然ダメだった」と動揺していましたね。

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――特に日本だと「介護は家族でするのが当たり前」という風潮が根強くありますよね。

安藤 閉鎖的といいますか「家族のことは家族で、あまり他人に見られたくない」という意識が強いんでしょうね、きっと。もちろんご家族の意思もあると思いますし「自分で看たい」という人も多いと思うのでそれはいいと思うんですが、無理はしてほしくないなと思います。

 気持ちに余裕があるうちのほうが判断しやすいと思うので、しんどくなってしまう前に、サービスを使って欲しいです。

知っておくと便利な介護制度は?

――切羽詰まっている状態だと、何をどうしたらいいかわからないですよね。

安藤 制度などがわかりづらいですよね。そこは大きな課題だと感じます。

 介護の問題について、みんなが気軽に相談をできるようになればいいですよね。実際に介護が必要になった時にぜひ相談して欲しいんですが、「地域包括支援センター」という行政の窓口があって。

「ちょっと相談したい」くらいでも相談に乗ってくれることと、電話対応もあるようなので、こういう知識がもっと広まればいいなと思いますね。

 

――いざ介護が必要になった、というときにおすすめの介護制度などありますか?

安藤 家族の足元が危なくなって手すりが必要になったときに、取り付け工事にかかる費用などで補助を受けられることがあって。在宅で段差をフラットにしたり、スロープをつけたりするのも補助が出るので、そういう制度があることを知っていてもらえるとお得かな、と思います。

「自分の家だから自己負担で付けなきゃ」となりがちな部分なのに、知らないとサービスを使えないというか、行政が「こういうサービスがありますよ」という説明をもっとわかりやすくやらないといけないと思うんですが。