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シュワルツェネッガーのしゃべりを遮ってキャメロンは言った。

「君がやるべきはターミネーターだ」

シュワルツェネッガーの目は点になった。

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家に帰ったキャメロンはさっきのスケッチに彩色した。手に拳銃を持ち、顔の半分の皮膚が剝(は)がれ、内部の機械が露出した絵を。それを送られたシュワルツェネッガーはすぐにターミネーター役を引き受けた。

町山 智浩(まちやま・ともひろ)
映画評論家、コラムニスト
1962年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。宝島社社員を経て、洋泉社にて『映画秘宝』を創刊。現在カリフォルニア州バークレーに在住。TBSラジオ「こねくと」レギュラー。週刊文春などにコラム連載中。映画評論の著作に『映画の見方がわかる本』『ブレードランナーの未来世紀』『トラウマ映画館』『トラウマ恋愛映画入門』など。アメリカについてのエッセイ集に『底抜け合衆国』『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』などがある。