これでは、子どもが納得してさっさと宿題をやるとは到底思えません。では、どんな声かけが効果的でしょう?
親からの信頼のメッセージを込める
○「宿題はおやつの前にする? 後にする?」
おやつを、罰の道具として使うのではなく、行動を起こす動機づけの選択肢として登場させるやり方です。
この声かけには、親から子どもへ、能力に関する信頼のメッセージが二つ含まれています。一つは、あなたには自分で行動を決められる能力があるというメッセージ。もう一つは、子ども自身で宿題をやり遂げられると信じているというメッセージです。信頼されたと感じた子どもは、みるみるとやる気が出てきます。
そんなことで? と疑問に感じるかもしれません。
また、ある日突然この声かけをされた子どもは戸惑って、わざと宿題に手を付けようとしないなど、親を試すようなことをするかもしれません。
でも、「うちの子には無理だった」と思わずに、習慣になるまで続けてみてください。
さらに、「今まであなたの宿題のやり方に口出ししてしまってごめんね。もう、あなたは自分でいつ宿題をやるか決められると思うの」。こんなふうに言ってみるのもお勧めです。
「集中しなさい!」の効果は一瞬
ケース3:すぐに集中力が切れる子どもへの声かけ
やっと宿題を始めたと思ったら、すぐに集中力が切れてボーっとしたり、他のことを始めたり……。
これもまた親を悩ませる問題ですね。どうしてうちの子はこんなに集中力が続かないのかしら? 勉強に向いていないのでは? そう心配になる親もいらっしゃるでしょう。
でも、考えてみてください。好きなこと、得意なことにはきっと時間を忘れて集中していますよね。なぜなら楽しいから。
ということは、楽しいと思えるなど何でもいいので、「宿題に集中する理由=メリット」を、子どもに感じてもらえればいいわけです。
×「集中しなさい!」
そう言いたくなる気持ちは、とてもよく分かります。
でも、そう言われて集中できる子どもを見たことがあるでしょうか? ありませんよね。一瞬集中したとしても、そう長くは続かないでしょう。