野球コラムの書き方を楽しく学ぶ「文春野球学校」のメンバーが、ほとばしる野球愛で執筆した「偏愛選手名鑑」。通常の野球名鑑には載っていない情報と情熱をお楽しみください!
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[はじめに]
2024年のNPBは「3位からの下剋上」で劇的に幕を下ろしました。それを最も複雑な心境で見つめていたのは、直近3年連続パ・リーグ4位のイーグルス、そしてそのファンでしょう。今年こそは、1つ上……なんて言わずパ・リーグ王者、そして日本一を掴みます。伊達や酔狂で言ってるかって? いいえ、本「キ!」です。
(イーグルス執筆チーム監督:森杉駿太郎)
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【監督】
88 三木 肇 (みき はじめ) 1977年4月25日生まれ
今季より就任
何はともあれ、また一軍でお会いできて何よりです。監督交代のスポニチの一報は「楽天・今江監督解任 三木二軍監督の5年ぶり再登板有力 2年契約1年目で交流戦初Vも3年連続4位」と数字だらけで、何が何やら。 (森)
【投手】
11 岸 孝之 (きし たかゆき) 1984年12月4日生まれ
チーム最年長ながら規定回数をこなした心強いベテラン右腕。美しすぎる投球フォームと抜群の制球力を誇る。衰え知らずの活躍と寡黙ながら時折見せる笑顔にファンは悶絶! 辰己涼介もなりきりたいエース番号11。 (か)
14 則本 昂大 (のりもと たかひろ) 1990年12月17日生まれ
昨シーズンは抑えで輝きを放った。母校の三重中京大学(旧松阪大学)が閉学したのは2013年。則本の活躍を励みに生活している卒業生はいるはず。入学オリエンテーションで鬼の学歌特訓を経験したのかが気になる。 (小)
15 S.ハワード (スペンサー・ハワード) 1996年7月28日生まれ
ガーディアンズから移籍
190cmの長身に加え、ヤフーレに日本語を習うコミュニケーション能力と日本への適応力で期待大。たぶんライバルも知らない仙台弁も習得すればエースの座は近い。んだがらあっぺとっぺな投げ方だばいぐねっちゃ! (森)
17 古謝 樹 (こじゃ たつき) 2001年8月18日生まれ
ふるっぱーを大変可愛く踊れると判明したFRESH ZIPPERのリーダー。5勝中3勝がホークス相手とは何とも頼もしい。推しメン・ジヒョのようにチームを引っ張り、TWICE目のリーグ優勝をもたらしたい。 (リ)
19 荘司 康誠 (しょうじ こうせい) 2000年10月13日生まれ
水島新司先生がご存命ならば寵愛を受けたであろう新潟の貴公子。推し米は「新之助」。クイズ好きで特技は早押しクイズの頭脳派。昨年9月に右肘にメスを入れ、万全のコンディションで新たなシーズンに臨む。 (小)
20 N.ターリー (ニック・ターリー) 1989年9月11日生まれ
背番号20がまたメキシコに行くのかという二重契約騒動も無事入団。12回裏11球連続ボールを含む3連続四球で満塁を作るも併殺で打ち取った神戸の夜は語り草。バモと言いたいが英語圏、今年もファイトニクタリ! (リ)
21 早川 隆久 (はやかわ たかひさ) 1998年7月6日生まれ
昨季は自己最多の11勝も、ファンの記憶は4月19日、西武戦での「あの騒動」 。太田批判と受け取られかねない試合後コメントは物議を醸した。その後、太田と仲直り。今季はシーズン通して「夫婦円満」で頼む! (フ)
22 小孫 竜二 (こまご りゅうじ) 1997年9月15日生まれ
2年目の昨季は2登板、2球目に危険球退場した試合を最後に二軍に。200万円の減俸をバネに、2022年ドラフト2位・背番号22の期待に報いる。無二の投球で2桁勝利に挑め竜二! 仙台近郊は市外局番022。 (森)
26 中込 陽翔 (なかごみ はると) 2002年1月23日生まれ
四国・徳島からドラフト3位
期待のドラ3ルーキーは筋金入りのボディビルダー。大学3年時、ボディービル大会優勝の実績をもつ。早速、某スポーツ新聞が「中込きんにくん」と命名した。新人入団会見から話題は筋肉先行。野球の話題もよろしく! (フ)
28 酒居 知史 (さかい ともひと) 1993年1月2日生まれ
昨年、プロ野球史上47人目となるプロ通算100ホールドを達成。今年も頼む! と期待を込めたが、開幕前に悲報。TJ手術を受け今季絶望だとか。鷲党は待ってる。球場グルメ「居酒屋酒居」の行方とともに。 (フ)
29 德山 一翔 (とくやま かずと) 2002年4月11日生まれ
環太平洋大からドラフト2位
「徳」島からやってきた、今のうちに辞書登録しておきたい旧字体ルーキー「德」山。漁師の父に憧れ育った海釣り好きが、生まれて初めての東北のイメージを聞かれ絞り出した答えは「...マグロ」。ご期待ください。 (リ)
31 渡辺 翔太 (わたなべ しょうた) 2000年10月29日生まれ
昨シーズンは中継ぎで勝利に貢献。オフに球威向上を目的に体重を6kg増量。希少なパームボーラー。1年でも長く現役で投げて欲しい。地元・北九州市の成人式に仲良しグループでお揃いのピンクのスーツで出席。 (小)
38 弓削 隼人 (ゆげ はやと) 1994年4月6日生まれ
昨シーズンはプロ入り最多の34試合に登板したものの内容は尻すぼみ。長身左腕で軟投派という現役では貴重な存在。好きな言葉「不易流行」にならい芯を持ちながらも新しいことに積極的に取り組み生き残りを賭ける。 (小)
40 江原 雅裕 (えはら まさひろ) 2000年8月3日生まれ
日鉄ステンレスからドラフト4位
その名に違わぬ器用さで、アマ時代に折れたバットをシャドーピッチ用の道具にリメイクし、今も愛用している。どんな見た目と使い方かは公式入寮動画で確認してみよう。誰がどう見てもシャドーピッチ用の道具である。 (森)
41 加治屋 蓮 (かじや れん) 1991年11月25日生まれ
阪神から移籍
ストレートとキレのある変化球でゴロを打たせ、アウトを取るタイプの右腕。彼がリリーバーで活躍する年は、チームはいずれも日本一。2回の戦力外もなんのその。楽天でも日本一へのキーとなる勝利の使者となれ! (か)
43 宋 家豪 (そん・ちゃーほう) 1992年9月6日生まれ
監修グルメの魯肉炒飯がハオツー。侍ジャパンへ差し入れたタピオカ(迷客夏)は熊本空港で飲める。寝る前の読み聞かせを欠かさぬ優しきパパは節目の日本10年目、右膝を完治させ優勝へのラストピースを目指す。 (リ)
45 松井 友飛 (まつい ともたか) 1999年10月11日生まれ
故郷の穴水町は「星空のまち」だという。昨年7月、先発で1死も取れずに8失点降板。あの悔し涙は忘れない。もう黒星はいらない。東北の地に、郷里の地に、白星の流星群を降らせ、全国の鷲党を歓喜させる。 (チャ)
46 藤平 尚真 (ふじひら しょうま) 1998年9月21日生まれ
ドラ1入団、先発でパッとせず、中継ぎで覚醒。これは、虎の指揮官と同じ道筋。ということは、向こう10年、球界きってのリリーフエースとして君臨するということだ。途中でメジャーに行っちゃうかもしれないけど。 (チャ)
47 藤井 聖 (ふじい まさる) 1996年10月3日生まれ
自身最多の11勝を挙げ飛躍した昨季。注目を集めたのは投球のみならず。球団と大手化粧品メーカーのコラボ企画『お肌のうるおい、抜き打ちチェック!』ではメーカー驚愕の4段階中の4。今季は「お肌」にも要注目! (フ)
49 西垣 雅矢 (にしがき まさや) 1999年6月21日生まれ
イップスや故障に苦しみ地獄を見た男は昨年4月10日に3年目のプロ初勝利。春季キャンプでは身体を大きくひねるフォームに取り組む。入学直前にパンフレットを見るまで報徳学園高校が男子校だと知らなかった。 (小)
52 津留﨑 大成 (つるさき たいせい) 1997年10月10日生まれ
先発も中継ぎもこなす柔軟さに、キッズファンへの素敵な対応と懐も広い慶應ポジティブマッスルつるちゃん。多分ご実家でワンコと戯れている頃、新年早々麻雀への凄まじい愛情がお茶の間にバレた歴戦の雀士でもある。 (リ)
53 坂井 陽翔 (さかい はると) 2005年4月5日生まれ
昨年10月6日対オリックス戦で一軍初登板し1回を無失点。今シーズン一軍キャンプメンバーに抜擢と順調に成長。186cmの長身でしっかりとした体幹。高校入学から本格的に投手に転向の19歳。おそろしい子! (小)
54 日當 直喜 (ひなた なおき) 2005年7月6日生まれ
誰が呼んだか「杜の都で輝くおひなたさま」。高卒1年目の昨季は10月9日対西武、チームのシーズン最終イニングでプロ初登板。全16球のうち12球をフォークで無失点に抑えた。近未来クローザー誕生の予感大。 (フ)
56 鈴木 翔天 (すずき そら) 1996年8月19日生まれ
昨秋はプレミア12代表を途中離脱も、その後の経過は順調で今季も「職場」を守り抜く。離脱後の代表ダグアウトに掲げられた「S.SUZUKI」のユニを見て、2023年のWBCがデジャヴした野球ファンが続出。 (森)
57 瀧中 瞭太 (たきなか りょうた) 1994年12月20日生まれ
スポーツ少年団で野球をはじめた。チームの監督は明るく元気。ホームランのサインは「コマネチ」。地元で消防士になることも視野に入れていた。エリートではない選手がコツコツ努力を重ねて活躍するのはうれしい。 (小)
58 辛島 航 (からしま わたる) 1990年10月18日生まれ
ドラフト6位で楽天に入団したのは2009年。今季はプロ17年目。気がつけば、球団生え抜き最年長投手となった。昨季は左肩痛で一軍登板はナシ。今季は「のらりくらり」と試合を作るベテランの投球術が見たい。 (フ)
59 泰 勝利 (たい かつとし) 2003年11月11日生まれ
オフに沖縄でのジャパンウィンターリーグで爪痕を残した。左肘の手術後は自分の身体と相談しつつモデルチェンジをしたクレバーさは将来有望。本人曰く「真っ直ぐに自信あり」、休日の過ごし方は「映画見て泣く」。 (小)
61 松田 啄磨 (まつだ たくま) 2002年2月26日生まれ
故郷大阪を離れ1年、仙台は慣れましたか? 「宗さんは宮城のラスボス」など、新たなことを学んだあなた。だからこそ、ファン感の寸劇での一言は熱かったです。「この短期留学お前の夢なんだろ? 行ってこいよ!」 (森)
62 西口 直人 (にしぐち なおと) 1996年11月14日生まれ
今季支配下登録復帰
1年半ドロンしていた甲賀忍者が肘の修行から帰還。くない(直球)と手裏剣(カーブ)は切れ味を増し、目に浮かぶは華麗な奪三振、観客の歓声、白井球審(専門学校の先輩)のコール。今年は忍ぶどころか、暴れるぜ! (森)
64 林 優樹 (はやし ゆうき) 2001年10月29日生まれ
1年目オフの左肘手術の影響で、昨季登板は二軍で1イニングのみ。悔しい結果も12月、ジャパンウィンターリーグに参戦できたのは収穫。勝負の3年目は古巣西濃運輸で巨人船迫と自主トレ。ばさまに続け、新人王だ! (フ)
66 今野 龍太 (こんの りゅうた) 1995年5月11日生まれ
ヤクルトから移籍
「岩出山の星」が東京から帰ってきたぞ! 大都会で積んだ経験で「Uターン転職」の錦を飾る。まずは『OH!バンデス』でも見て、故郷の感覚を取り戻してけさいん。ここにはテレ東やMXなんて存在しませんからね! (森)
67 大内 誠弥 (おおうち せいや) 2006年3月9日生まれ
宮城県出身、19歳にして楽天ファン歴13年目。昨年ついに球団ファンクラブ(スタンダードコース)に入会した。今季から年会費が上がる(10,500円→12,000円)ので、一軍デビュー&年俸増で元を取れ。 (森)
69 内 星龍 (うち せいりゅう) 2002年4月24日生まれ
星龍の名の由来は、坂本龍馬推しの父上と「スターに」と願う祖父の合作。願いが叶ったか、昨季は先発転向で飛躍を遂げた。今季は開幕前に、中継ぎ再転向が決定。本人曰く「ロングは耐性がついている」。任せたぞ! (フ)
71 柴田 大地 (しばた だいち) 1997年11月7日生まれ
ヤクルトから現役ドラフトで移籍
親族と縁が深い東北地方へ移籍。柴田町を擁する仙台都市圏の現地ファンには名前と豪速球をすぐ覚えられるに違いない。ただし、競馬ファンは「柴田大知」と漢字を間違えないように要注意。無論「柴田未崎」でもない。 (森)
72 宮森 智志 (みやもり さとし) 1998年5月28日生まれ
新人初登板からの連続無失点日本タイ記録保持者。登場曲にSUPER BEAVERを選ぶセンスの良さ。奪三振率が年々低下しているのが気がかり。スライダーに光るものがあるので「ひたむき」に信じた道を進め。 (小)
89 M.ヤフーレ (ミゲル・ヤフーレ) 1998年5月1日生まれ
ヤクルトから移籍
ヤクルト在籍時に伊藤智仁投手コーチから笑顔と頬の赤さが似ているからと不二家のマスコット・ペコちゃんの愛称をつけられた。不二家公式によると「ペコ」は仔牛を表す東北方言の「ベコ」が由来。東北に縁があった。 (小)