戦後80年記念グラビア よみがえる日本の顔

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 文藝春秋のカメラは、昭和から平成、令和にかけて、時代の寵児たちの知られざる日常に密着し、ふとした瞬間の輝きを捉えてきた。そして今、モノクロームの肖像がAI(人工知能)技術によって彩色され、鮮やかによみがえる――。

黒澤明

『羅生門』『七人の侍』などの名作を残した巨匠が、トレードマークのサングラスを外した。「近頃の映画は刺戟の強いものでお客を集めようという傾向が強すぎて、頽廃的な残酷ムードでなくてはお客が入らないと言われているが、そういうものじゃなくてもお客が入るという事を証明してみたい」(文藝春秋1964年7月号)

丹下健三

「人間の心のつながりがなくてはよい建築は生れません。お互いの持てる力を充分に出しあい、納得し合い、一つのものに結晶していくのです」(文藝春秋1965年2月号)。丹下(左)の最高傑作と評される国立代々木競技場は、(右より)井上宇市氏、神谷宏治氏、坪井善勝氏らをはじめ、延べ20万人の手によって作り上げられた

AIがほどこす自然な彩色

 今回、白黒写真をカラー化するにあたり、早稲田大学理工学術院の石川博教授の協力を得て、同研究室が開発した人工知能技術を用いた。

「白黒写真をカラー写真に自動変換する技術を開発するにあたり、ディープラーニングというAI技術を応用しました。膨大なカラー写真と白黒写真のペアから、色づけの手がかりとなる特徴を学習させたのです」(石川教授)

 AIの学習に用いた写真は実に230万組に及ぶ。カラー化された写真の鮮やかさに目を奪われるが、課題もあるという。

「AIは空や人の肌といった自然物の色づけを得意とする一方で、自動車や衣服など同じ形でも無数の色の種類が存在する人工物の色づけが苦手です。その意味で発展途上の技術ですが、AIが導き出した自然な彩色を楽しんでいただけたらと思います」(同前)

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source : 文藝春秋 2025年8月号

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