黒澤さんは真剣な表情で『東京物語』を見ていた
三浦 僕、最近何だか山田洋次漬けになっちゃってさ。
山田 いやいや、そんな(笑)。
三浦 朝から晩まで泣きっぱなしだよ。涙もろくなっちゃってさ。やっぱりすごいよ。山田さんとは日本藝術院で顔を合わせるけれど、一度じっくり話したいと思っていてね。僕、山田洋次という監督は、黒澤明と小津安二郎をあわせ持った人と思っているわけ。
山田 それはすごい(笑)。
三浦 僕は1990年代に「ダンスマガジン」という雑誌の編集長を務めて以来、舞踊を研究しているの。そこで人間の身体から気づくことがあるんです。映画を鑑賞するときも役者の動きを見てしまう。たとえば昔の人はすり足のナンバ歩きだったでしょ? これ、僕は牛の歩き方から生まれたと思っているんです。農耕民族の日本人は牛車を使う、すると足運びは牛に合わせるしかない。
山田 ああ、なるほど。
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source : 文藝春秋 2023年9月号