SNS政治家は「戦争に憑かれた」歴史を学べ
本連載は、残すところ今月号を入れてあと2回となった。引き続き、歴史の地下水脈を辿り直しながら、世界史的な転換期を迎えつつあるいまと往還し、私たちの近現代を、そして近未来を見つめてみたい。
石破茂首相が退陣表明した。本誌が発売された後には新首相が決まることになる。歴史的な「真正保守」の再興を志す立場から、「保守政治家」を標榜する石破の言動を時に注視してきた私としては、現在の政治状況に対して発言しておくべきだと考える。

前々回に詳述したように、参院選前後から、私は日本社会の政治動向が、以下の四極に分解していくのを感じ取っていた。
(1)国家主義的右派政党(参政党、日本保守党)
(2)国民政党右派(自民党、公明党、日本維新の会)
(3)国民政党左派(立憲民主党、国民民主党)
(4)左派リベラル政党(共産党、れいわ新選組、社民党)
このうちの(1)「国家主義的右派政党」の参政党は、時代を攪乱して話題を集めたが、そのスローガンの空虚さは、歴史といまを見つめる目の不在を映し出している。ナショナリズムを煽りはするが、日本の近現代史への見識があるとは思えず、むしろ欧米に現れた右派潮流の受け売りで政治活動をしているかのような印象すら受ける。
神谷宗幣参政党代表は、ドイツの排外主義政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に親和性を見出して交流しているが、ドイツ憲法擁護庁はAfDを「その主張は自由民主主義と相容れない」として右翼過激派に指定している。AfD党幹部がドイツ国内の移民をアフリカに移住させる計画を協議していた疑惑、AfD議員のスタッフが欧州議会の情報を中国に流したスパイ疑惑、また同じAfD議員がナチス親衛隊を擁護する発言をしたことも報じられた。このような党といかなる交流をするというのだろうか。
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