一枚の名画をのぞき込んでみると……

✓見えてきたのは「白百合」
百合の花はゼウスの妻へラの乳から生まれたと言われ、その芳香、高貴、そして邪悪な蛇を追い払う力によって、ブルボン家の紋章にもなった。また白百合は無垢の象徴とされ、処女マリアと密接に関連づけられている。大天使ガブリエルがマリアのもとを訪れる「受胎告知」図においては、画面のどこかに白百合を配置することが「西洋絵画のお約束」だ。ごくごく稀に別の花が描かれている場合は、注文主の家紋だったりするのがご愛敬。
おめでとう、マリア

『見よ、我は主のはしためなり』
1849-1850年、油彩、72.4×41.9cm、テート・ブリテン / 写真提供 Alamy Stock Photo/amanaimages
新約聖書によれば、事件は次のように起こった。
――時は春、所はガリラヤ地方の貧しい町ナザレ。大工ヨセフと婚約中のマリアが部屋でイザヤ書を読んでいると、いきなり周囲が神々しい光に満たされ、猛禽類の翼をもつ青年姿の大天使ガブリエルがあらわれて、彼女に白百合を差し出しながらこう告げた。
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