天界の大騒ぎ

第158回

中野 京子 作家・ドイツ文学者
エンタメ アート

一枚の名画をのぞき込んでみると……

 

✓見えてきたのは「翼の生え方」

神話画や聖書画などでひんぱんに登場する「翼持つ存在」は、たいていこちらを向いているため、背中がどうなっているかよくわからない。鳥なら腕の代わりなので何となく想像できるが、両腕の他に翼となると、いったいどのあたりから生えているのか? その一つの答えがこれだ。なるほど、肩甲骨に沿って生えていたのね。それならバッサ、バッサと動かせそう。

 


 

天界の大騒ぎ

『天の川の起源』

1575年頃、油彩、149.4×168cm、ロンドン・ナショナル・ギャラリー(旧オルレアンコレクション) / 写真提供 Alamy Stock Photo/amanaimages

 浮気三昧の主神ゼウスは、今日も今日とて人間の人妻アルクメネを孕ませて男児を産ませてしまう。

 ところが妻であり姉であり、嫉妬深いこと山の如しの女神ヘラが、それまでさんざんアルクメネに嫌がらせを続けていたものだから、彼女は子を産んでも乳がでなかった。

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source : 文藝春秋 2025年10月号

genre : エンタメ アート